センター長の挨拶 

高等教育研究開発センター長  小林 信一

2020年、コロナ禍は大学を直撃しました。国内外の高等教育研究の結節点として、本センターは、4月に国内外の大学と新型コロナに関する情報のポータルサイト(https://rihe.hiroshima-u.ac.jp/liaison-center/learning-center/)を立ち上げ、同時に海外メディアに対して日本や東アジアの高等教育におけるコロナ禍の影響に関して発信してきました。また、1年余にわたり公開研究会等の映像記録とその発信のための準備と試行を進めてきたこともあり、6月には公開研究会等をTV会議方式でリモート配信する体制を整えました。同時通訳付きの国際会議も実施いたしました(https://rihe.hiroshima-u.ac.jp/video_and_materials/)。

こうして、コロナ禍の1年がすぎて行きましたが、この経験は本センターの国内外における役割、使命を再確認させるものとなりました。公開研究会等には、海外在住の研究者も参加してくれました。同一大学内に少数しかいない高等教育研究に携わる若手研究者も多数参加してくれました。国内外のメディアに対する発信やメディアによる紹介も、期せずして当センターの役割となりました。いずれも、平時の活動だけではわからなかったセンターの使命でした。同時に大学が、論文のような研究の結果を発表するだけでなく、研究のアイディアや途中経過についてオープンに議論する場であることも改めて認識し直しました。

このような大変革の時代に、高等教育研究は十分に向かい合っているのだろうか。高等教育研究分野の研究センターとして日本でもっとも長い歴史を有し、内外にネットワークを形成してきた本センターは、内向きになりがちな高等教育研究を脱し、開かれた高等教育研究を目指し、現実に即した基礎的研究と基礎的研究に裏付けられた政策科学的研究・実践的研究をともに重視します。それを通じて研究と実践を架橋し、研究者と実務家を架橋するセンターになることを目指しています。

こうした課題に応えるために、センター外部との連携を担うリエゾンセンターをテーマごとに機動的に設置し、センターの姿勢を示すとともに、本センターのリソースを活用し、学内外との協働・共創を進めてきました。こうした活動を支える基盤として、高等教育研究に関するデータバンク、研究方法・データ分析手法の開発・アーカイブ構築、映像アーカイブ構築も含めた総合的な研究資源の整備を進め、高等教育研究資源のナショナルセンターを構築してきました。コロナ禍では、こうした体制整備が生きたことは幸いでした。今後とも、当センターの活動にご参加くださいますようお願い申し上げます。

2021年4月
広島大学高等教育研究開発センター長
小林 信一