【情報提供:蝶 慎一助教】
大学史研究会は、大学の歴史的研究に限らず、大学史に関心を持つ研究者と現代の大学問題に関心を持つ研究者を統合したユニークな研究会です。
このたび、第44回大学史研究セミナーを、前年に引き続きオンラインにて開催いたしますので、以下の通りご案内します。今年度は2021年12月11日(土)、12(日)の2日間で開催することとなりました。11日(土)はシンポジウム「大学と戦争」を、翌12日(日)に自由研究発表を開催いたします。
第44回大学史研究セミナー 開催概要
- 日 時:12月11日(土)13:00~17:00 シンポジウム・総会
- 12月12日(日)9:00~14:00 自由研究発表(時間の変更可能性有)
- 開催方法:Zoom形式(ミーティングID、パスワードは参加されるみなさまにメールでご連絡致します。なお、総会については会員のみに限定し、別にミーティングID、パスワードをご連絡致します。)
- 参加費:会員・非会員ともに無料
- 申込期間:11月29日(月)9:00~12月8日(水)17:00
- 申込方法:《参加受付フォーム》
□ シンポジウム「大学と戦争」開催の趣旨
オーガナイザー:山本尚史
今年の大学史研究セミナーでは「大学と戦争」をテーマとしてシンポジウムを開催する。戦争、とりわけ総力戦体制は、社会のあらゆる分野に甚大な影響をもたらした。大学という研究教育機関においても、大学組織、大学教員の研究分野・内容、学生の学び、大学構成員の生活など、多くの面で戦時体制の構築とともに変化は免れなかった。このような大学を取り巻く様々な変化については、多くの研究者によって検討がなされてきたことは言うまでもない。
教育学においては寺崎昌男・戦時下教育研究会編『総力戦体制と教育』(東京大学出版会、1987年)、駒込武・奈須恵子・川村肇編『戦時下学問の統制と動員 日本諸学振興委員会の研究』(東京大学出版会、2011年)などを通じて、大学と戦争の関係が研究されてきた。 また日本史学においては大学をはじめとする戦前の高等教育機関の研究・学問体系を「動員」「抵抗」「統制」という観点から『日本歴史』『歴史学研究』においても特集が組まれてきた。そして、年史編纂を通じた個別大学史では、どのようにして大学が戦時下に対応してきたのかが明らかにされてきた。
「 統制」「動員」「抵抗」という視点からの研究史に踏まえながら、改めて大学と戦争の関係性を再検討することを目的として本シンポジウムを企画した。シンポジウムでは、大学という組織、大学教員と学生の新たな姿を浮かび上がらせつつ、国家と大学、知識人の役割、戦争と科学といった問題群の再考につなげられればと考えている。これらの問題群にアプローチする上で、三名の方にご報告をお願いする。会員諸氏の積極的なご参加をお願いしたい。
- 日 時:2021年12月11日(土) 13:00~
- 報告者:吉葉恭行(岡山大学教授/科学史),
中村信之(大阪大学大学院国際公共政策研究科・特任研究員/国際関係史),
荻野富士夫(小樽商科大学名誉教授/日本近代史) - コメンテーター:逸見勝亮(北海道大学名誉教授/日本近代教育史)
- オーガナイザー:山本尚史(筑紫女学園大学講師/教育史)
□ 第44回大学史研究セミナー 自由研究発表
日時:2021年12月12日(日)9:00~10:35(接続開始 8:45予定)
- 「1960-70年代大学史研究の新しいアプロ-チー -日教組合同教研集会にあらわれた大学改革論-」羽田 貴史(東北大学)
- 「ファキュルテは孤立していたのか ―19世紀中葉トゥルーズの場合―」大矢龍弥(広島大学大学院)
セミナー問い合わせ先:セミナー担当者宛メール