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関西国際大学 客員教授
塚原 修一
創立50周年を祝して
塚原 修一 (関西国際大学 客員教授)
広島大学高等教育研究開発センター(以下ではセンターという)の創立50周年をお祝い申し上げます。私が最初にセンターを訪れたのは
1976年のはじめで、5名ほどの訪問調査団の末席にて記録係をつとめていました。調査団のさまざまな質問に、助教授であった喜多村和之先生
がていねいに説明されていた記憶があります。それ以来、研究員集会や国際会議などセンターが開催するイベントには折にふれて参加し、
そのたびに新しい知識とアイデアをいただいてまいりました。あらためて感謝を申し上げます。このところ感染症の影響でオンラインの会合が
増えていますが、対面の会合にはやはりその良さがありますので、事態の好転を願うばかりです。
最近の大きな関わりは、2020年に外部評価委員長として外部評価報告書を刊行したことです。このときにはセンターがまず自己点検・評価
報告書を作成し、これをふまえて外部評価委員会が評価を行い、それに対応して改善・改革計画がセンターから提出されました。
この計画のうち「多様な成果の発信」の項目には、小林信一センター長の文部科学大臣表彰受賞(科学技術賞(科学技術振興部門)、2020年)
があげられていました。翌年には、元センター長である有本章先生が勲章(瑞宝中綬章)を授与されました。まことにおめでたいことで、
心よりお慶びを申し上げます。そのほかセンターのサイトには、国際共同研究に関する黄福涛教授のインタビューがNature誌(2022年)の
記事に掲載されたとの記述があります。
これらは、それ自体に大きな価値があることは言うまでもありませんが、多様な成果の発信という視点からも有意義なことであり、
改善・改革計画は着実に進行しているように見受けられます。この計画には、そのほかにも新しい研究様式への挑戦や教育機能の強化などが
盛り込まれていて、成果が形になることが待たれます。審議会答申などの政策文書によれば高等教育の役割はこれからも大きくなることが
予測され、高等教育研究への期待はよりいっそう高まるものと思われます。日本を代表する高等教育の研究機関として、こうした期待に応え
ながら、将来にわたって発展しつづけることを祈念します。