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元文部省高等教育局長、元文化庁長官、元日本学術振興会理事長等
大﨑 仁
センター創設のころ
大﨑 仁(元文部省高等教育局長、元文化庁長官、元日本学術振興会理事長等)
センター創立50周年と聞いてすぐに思い浮かんだのは、1960年代後半から全国に吹き荒れた激しい大学紛争である。あの紛争が大学のあり方
を真剣に考える大きな契機となり、大学研究の出発点となった。その流れの中で、広島大学が他大学に先駆けて大学研究施設「大学教育研究
センター」を創設できたのは、46歳の若さで学長に就任、紛争の収拾とその後の改革に見事な手腕を発揮した飯島宗一先生のリーダーシップが
あってのことであるが、それを可能にしたのは、皇至道先生や横尾壮榮先生に代表される「大学研究」の伝統が広島大学に息づいていたからで
あろう。私は、当時大学課長として紛争後の大学改革を担当していたが、センター創設の要求には、積極的に対応したことを記憶している。
大学教育研究センターは、途中名称の変更もあったが、歴代センター長・スタッフのご努力により、大学研究の全国的拠点として日本の
大学・高等教育研究の発展に大きく貢献してこられた。特に優れた研究者を輩出され、また国際交流を推進されたことが強く印象に残って
いる。
いま大学は大学紛争時を上回る困難な状況下にある。センターが創立50周年を機に、思いを新たに激動する大学問題に取り組んでいかれる
ことを強く期待したい。