桜美林大学国際学術研究科 教授
小林 雅之
広島大学高等教育研究開発センター 50周年
小林 雅之 (桜美林大学国際学術研究科 教授)
広島大学高等教育研究開発センターの50周年、おめでとうございます。私は,センターに非常にお世話になった者の1人です。私にとって
センターはひとつのインビジブルカレッジ,見えない大学だと考えています。客員研究員は1985年から務めさせていただいています。
そのときに初代センター長の喜多村和之先生や大膳司先生と一緒に『学校淘汰の研究』という本を出させていただいております。また、
私は、最近日本の大学でも導入されているインスティテューショナル・リサーチ(IR)について、研究しています。喜多村先生は、大学論集の
第1集で「管理運営面を主体とした自己調査」として、夙に紹介されています。(喜多村和之 1973年「アメリカにおける「大学研究」の展開
−序説」 『大学論集』 第1集, 24頁。)
もう一つ,センターのことで特筆すべきこととして,最初は矢野眞和先生,続いて金子元久先生のもとで,教育と経済に関する研究会に参加
することができ、若手の助教授,助手が集まっての研究会でしたので,非常に楽しく研究をさせていただきました。多くのコリーグによって、
研究者として育てられた。そういう意味でインビジブルカレッジと感謝しています。
センターへの期待ですが,外部評価委員として2015年に報告書を提出いたしました。これはずっと言われてきたことですが,For Hiroshima
か,At Hiroshimaかということについて,やはり,センターは当初から国内大学のハブ機能を持っているわけでありまして,全国の高等教育
センターの拠点としての機能はずっと持ち続けていただきたいと思います。高等教育センターは非常に多くできているのですけれども,
ほとんどが自大学のためのセンターになっています。東大も例外ではありません。
これは国立大学法人化のデメリットの1つで,大学間競争のため、やはり自分の大学のことしか眼中にないという傾向が,どの大学でも
今起きていることだと思います。そういう中で,数少ない全国の共同研究拠点という役割を続けていく必要性が,非常に大きいと思います。
もう一つは,国内だけではなく、国際高等教育ネットワークのハブ機能を,センターは担っています。国際共同研究推進事業を推進して
いただければと思っております。
とはいっても外部評価報告書でも強調しましたが,広島大学への貢献も重要で,研究,教育、社会活動で今までも非常に貢献されていると
思いますけれども、さらに一層,大学と共存していくということを考えていただければと思っております。そういう意味では,For Hiroshima
and at Hiroshimaということが言えるのではないかと思っております。