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東京大学 学院教育学研究科・総合教育科学専攻大学経営 政策講座
阿曽沼 明裕
広島大学高等教育研究開発センター創立50周年へのお祝いメッセージ
阿曽沼 明裕 (東京大学 学院教育学研究科・総合教育科学専攻大学経営 政策講座)
センター創立50周年、心よりお祝い申しあげます。これまでの歴代の先生方、事務スタッフの方々のご貢献とご献身のたまものと存じます。
私は大学院生としてご厄介になり、育てていただいた身にすぎないので、おこがましい限りなのですが、センターを讃えさせて頂きます。
私が大教センター(いまでも私にとっては高教センターというより「だいきょうせんたー」です)で大学院生になったのは1990年ですから、
32年も前になります。院生は李春生さんと私の二人だけでしたが(1年後に小方直幸さんが入ってきました)、センターはそれ以前から日本の
高等教育研究の中心地で、といってもそれは入学して初めて知ったのですが、頻繁に内外から著名な先生方がお集まりになって、院生だった
私はなんだかすごい処に来たものだと思いつつ、広大の中でも特別の存在のようで鼻高く感じたことを憶えています。
とはいえ、当時のセンターは古い東千田町キャンパスの図書館の3階にあって手狭で、廊下は荷物だらけで薄暗く、お世辞にも高尚な雰囲気が
漂う、というわけでもなかったのですが、そういうところと日本における世界の高等教育研究への数少ない窓口だったことと大きなギャップが
あって、これまたセンターのすごさを思わせるところでした。
その後西条に移って、施設・設備的にも素晴らしい環境となり、日本の高等教育研究を牽引して来られたことは皆さんご存じのとおりです。
研究だけでなく、大学院も充実しました。私はセンターで3番目の大学院生でしたが、そのころ授業はしばしばひとり、多くても3人程度で、
センターはあくまでも研究所であって学生はマイノリティでした。その後、センターのHPによると、2021年3月までに80名が修士号を、18名
が博士号を取得されたそうですから、人材養成機関としても大きな役割を果たしてこられました。
センターの50年の歴史のうち、私がいたのはごく一時期ですし、存じ上げないことも多く、大変な時期があったこともお聞きしております
が、センターはずっと日本の高等教育研究の拠点であり続けています。今後もそうであろうと当然のごとく思っておりますし、そうあり続けて
もらわないと日本の高等教育研究にとっても困ると思っております。
センターの50年を心よりお祝いするとともに、今後のさらなるご発展を祈念しております。