【情報提供者:日本高等教育学会課題研究委員会 朴澤 泰男様】
一般社団法人 日本高等教育学会(課題研究委員会)では、下記の通り、オンライン・セミナーを開催いたします。学会員以外の方も参加可能ですので、奮ってご参加ください。
「韓国にみる高等教育の規模縮小―人口減少社会における私立大学の存続・退出と地域大学振興―」
【日時】2026年9月26日(土)10:30~12:00
【趣旨】
10年後には18歳人口の急減が見込まれ、大学の削減論も提起される中、高等教育の全体規模の縮小が避けられない時代に入ろうとしています。お隣の韓国でも少子化や18歳人口の減少が進んできたことは周知の通りですが、日本と同様の課題がより先鋭化した形で現れる一方、大学の定員削減などの大胆な改革が試みられ、その変化の早さにも驚かされるばかりです。
韓国において現在、私立大学にはどのような経営的選択肢があるのか。地域大学振興政策はどのように機能しているのか。本セミナーでは、個々の大学や地域の事例にまで立ち入って、日本の高等教育の未来をいわば「先取り」する社会の動向に学びつつ、日韓相互にみた人口減少社会の高等教育のあり方について議論を深める機会とします。
※本セミナーは、日本高等教育学会2025-26年度課題研究Ⅰ「人口減少社会の高等教育」の一環として開催するものです。
【プログラム】 全体進行: 飯吉 弘子(大阪公立大学)・福留 東土(東京大学)
■趣旨説明
■報告「韓国の私立大学に迫られる経営的選択肢:自発的廃校か、倒産か、共同か」 尹 敬勲(ユン・ギョンフン)氏(流通経済大学)
《報告の概要》
韓国はいま、「大学が次々と姿を消す時代」を迎えている。出生数の急減に伴い、大学進学年齢人口はこの15年間でほぼ半減し、多くの私立大学が定員割れによる深刻な経営危機に直面している。とりわけ首都圏から離れた地方の小規模大学では、その影響はより深刻である。
しかし、経営難に陥った大学であっても、これまでは容易に廃校へ踏み切ることができなかった。現行の私立学校法では学校法人の解散事由が厳しく限定されており、学生数が大幅に減少しても、自主的な整理・清算は極めて困難であった。その結果、実質的に経営が破綻した大学が存続を余儀なくされ、教育環境の悪化や教職員への未払い賃金など、その負担は学生・教職員・地域社会へと転嫁されてきた。
こうした制度的な行き詰まりを打開するため、新たに「私立大学構造改善法」が制定された。同法は、経営難に陥った大学が秩序ある形で退出できる制度を整備するとともに、一定の要件の下で創立者に残余財産の一部を還元する「解散整理金制度」を導入し、自主的な構造改善を促すことを目的としている。しかし、本当に創立者は廃校によって経済的利益を得ることができるのだろうか。経営が健全な大学と、廃校寸前の経営危機大学では、その結果は同じなのか、それとも大きく異なるのか。
本報告では、性格の異なる三つの私立大学の実際の会計資料を用い、この制度の実効性を検証する。その分析からは、「最も支援を必要とする大学ほど制度の恩恵を受けにくい」という、制度設計の逆説ともいえる結果が浮かび上がる。さらに、私立大学に対して経常的な運営費補助を行う日本の制度と比較し、公的な安全網が限定的な韓国の構造的課題を明らかにする。また、韓国の私立大学改革に求められる方向性として二つの視点を提示する。
第一に、再建が困難な大学については、学生・教職員への影響を最小限に抑えながら、自主的かつ尊厳ある退出を可能にする制度設計である。第二に、存続可能な大学については、キャンパスや校舎などの資本的支出(CAPEX)と運営費(PL)を大学間で共同化・共有し、固定費構造そのものを抜本的に見直すことである。つまり、廃校を「避けられない破綻」としてではなく、「設計可能な構造転換」として捉え直すことである。
本報告は、実際の大学財務データに基づき、その可能性と課題を提示する。そして、倒産後の処理ではなく、倒産前の制度設計と実際の運用の方法を議論できればと思う。
■コメント 塚原 修一 氏(関西国際大学)
■質疑応答・ディスカッション
【開催方法】オンラインZoomミーティング(定員300名)
【参加申し込み方法】2026年9月23日(水)までに、下記のURLより、ご氏名やメールアドレス等の事前登録をお願いします。ご登録いただいたメールアドレスには、追ってミーティング参加に関する情報の確認メールが届きますので、届いたリンクからZoomにお入りください。日本高等教育学会会員以外の方も参加可能。参加費無料。
https://omu-ac-jp.zoom.us/meeting/register/C2zbMKF4Tym0X4Kb2tyElA
【お願い】当日のご参加に際し、下記の点にご留意くださいますようお願いします。
1.アーカイブ配信のため、主催者側で録画を行います。あらかじめご了承ください。個人での撮影や録画はご遠慮ください。
2.講演中は、マイクをミュートにしてご参加ください。画面はオンでも結構です。
記事のお問い合わせ先
朴澤 泰男(日本高等教育学会課題研究委員会)
yhozawa2019*gmail.com(*を@に変換してください)
