3月18日開催「教育専任教員が受容され育つ土壌を考えるー豪ニューサウスウェールズ大学を事例として」のご案内

【情報提供者:京都大学教育学研究科 佐藤万知准教授】

日時:2026年3月18日13時〜17時15分
(17時45分まで任意参加のアフターセッション有り)
場所:京都大学芝蘭会館別館研修室(対面のみ)
言語:日本語と英語の併用(同時通訳は行いませんが,日本語での補足説明を予定)
*本イベントはJSPS 23K20714の成果の一環として開催します.

趣旨:
様々な要因を背景に,大学教員の働き方や職務内容は多様化しており,伝統的な大学教授職像が実態において崩れつつあります.欧米諸国では,第3の専門職(Third Space Professionals)の設置や大学教授職の役割分化という制度的対応が進められ,大学は多様な働き方のスタッフを包摂する組織へと変容しつつあります.
日本においても,高等教育政策の議論において,研究に専念できるポストの創出と教育職との分業化が提案され,一部の大学では教育専任教員ポストの設置が検討されています.
しかし,新しい職域を持つ専門職が根付いていくことは容易ではないことは,先行研究において指摘されています.教育専任教員についても,教育研究の両方を担う伝統的な教員ポストに対してsecond citizenと位置付けられ,非正統的な存在として扱われることもあります.一方で,大学の教育活動に貢献する存在として評価され,大学の重要な構成員として根付いている場合もあります.こうした状況があることに鑑みると,新しい専門職の導入に先立ち,その専門職に関連する制度を明確にするだけではなく,その専門職の存在を認め,包摂する土壌があるのか,そのような土壌はいかなる条件のもとで成立しているのかをまずは理解することが重要なのではないかと考えます.
そこで本オープンフォーラムでは, 教育専任教員が受容され育つ土壌について,三部構成で考えていきます.
第一部では,教育専任教員(Education Focused, EF)ポストの制度化に取り組み,オーストラリア国内から成功事例として注目されているニューサウスウェールズ大学(UNSW)を事例として取り上げます.EF制度化直後にEFのキャリア支援を行うプロジェクトのディレクターを勤め,その後,教育学生担当副学長としてEFの支援と新しい大学教員職としての可視化に尽力してきたLouise Lutze-Mann名誉教授を招聘し,新しい大学教員の働き方が受容されるためになされた制度的,非制度的取り組みについて話をしていただきます.第二部では,日本で教育専任教員が導入されるとした場合,どのような課題が想定されるのか,という点について,フロア全体で議論します.最後に,第三部では,日豪の比較を通じて,教育専任教員が受容され育つ土壌について議論することを試みます.
議論のテーマを教育専任教員にしていますが,広くは,大学における教育活動という土壌について問うものです.さまざまな形で大学教育に関わっておられるみなさんに参加していただければ幸いです.

【スケジュール】
13:00-13:05 Opening
13:05-14:40 第一部 UNSWのEF制度が成立している理由を探る
・オーストラリア高等教育&大学教員の役割分化 文脈説明(佐藤万知・京都大学)
・UNSWはどのようにしてEF制度を導入したのか 経緯説明(Louise Lutze-Mann・UNSW)
・フィールドワークから見えた3つのからくり 問いかけ(佐藤万知)
・からくりの背景にあるマネジメント層の理念と戦略&EFのためのコミュニティ・オブ・プラクティス(Louise Lutze-Mann)

14:40-14:55 休憩

14:55-16:25 第二部 日本の文脈で考える
・EF制度の導入で起こりうる課題 
  ー シミュレーションインタビューからの報告 (佐藤万知)
  ー 「大学教員らしさ」調査からの報告 (丸山和昭・名古屋大学)
  ー 論点提起 (立石慎治・筑波大学)
・ディスカッション (30分)
・共有とLouiseとの対話 (30分)

16:25-16:35 休憩

16:35-17:10 第三部 日豪比較を通じて考える 
・全体対話:教育専任教員が受容され育つ土壌とは

17:10-17:15 Closing
17:15-17:45 アフターセッション

【申し込み】
以下のFormsよりお願いします.
https://forms.gle/gpCNZVuJkfCUMbid6

【お問い合わせ】
京都大学教育学研究科准教授 佐藤万知
sato.machi.5r@kyoto-u.ac.jp