『APIKS 2024国際会議』開催報告

記事概要:『APIKS 2024国際会議(Changes in the Academic Profession in the Knowledge-Based Society and International Comparison)』 

開催日時:2024年2月3-4日

開催場所:広島大学高等教育研究開発センター授業研究開発室(招聘者のみ)/ zoom(一般参加者)

報告者:黄 福涛(広島大学高等教育研究開発センター教授)

2024年2月3日から4日にかけて、広島大学高等教育研究開発センターで開催された国際会議「Changes in the Academic Profession in the Knowledge-Based Society and International Comparison」では、30以上の国からの研究チームが参加している『知識基盤社会における大学教授職』(Academic Profession in the Knowledge-Based Society, APIKS)という国際共同研究プロジェクトの一環として、主に国際比較的アプローチに基づいて、知識基盤社会における大学教授職の変化に焦点を当て、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカの大学教授職における様々な側面について分析・討論が行われました。

大会の初日、2月3日のセッション1では、本学の副学長であり弊センター長の小林信一教授による開会の辞がありました。その後、本学の名誉教授であり弊センターの元センター長(第8代および10代)の有本章教授による基調講演「知識ベース社会における大学教授職の国際比較研究」が行われました。有本教授は、中世の大学と近代の大学が知識に対処してきた歴史的な観察を通じて、科学的知識の重要性が増していると述べ、学問の威信が大学内外で確立されるべきであり、学問のプロフェッショナルが知識ベース社会で価値のあるR-T-Sネクサス(Research-Teaching-Society Nexus)を実現するべきだと強調しました。

続いてのセッション2では、フィンランド、オーストリア、カナダ、バルカン、バルト諸国における大学教授職の変遷に焦点を当てたプレゼンテーションが行われました。例えば、フィンランドのラップランド大学のTimo AARREVAARA氏による「キャンパスの変化、永続的な教員?」では、キャンパスでの仕事とキャリアの変遷について調査結果が提示され、オーストリアのクレムス継続教育大学のAttila PAUSITS氏による「オーストリアの大学教授職における構造化された博士課程の影響」では、構造化された博士課程が大学教授職に与える影響が探究されました。

昼食休憩を挟んでの午後のセッション3では、ポルトガルとリトアニアでの女性の大学教授職における影響に焦点を当てた研究や、マレーシアにおける大学教授職の仕事量と仕事満足度の変化に関する研究が発表されました。セッション4では、大学教授職を焦点とする新しい国際共同研究プロジェクトについての議論が招待参加者によって行われました。

2日目のセッション5では、ラテンアメリカ、中国、台湾の大学教授職の役割と影響に焦点が当てられました。関係者の皆さんから、ラテンアメリカの視点から大学教授職の知識社会への関与や大学の”第三の使命”についての見解、チリにおける男女別のアカデミアでの状況に関するAPIKS調査の結果、そして、APIKS調査から得た大学教授職の社会的関与に関する洞察を報告しました。

昼食休憩後の午後のセッション6と7では、韓国や日本、トルコなどでの大学教授職のコミットメント、職業満足度、研究パフォーマンスなどに関する研究が行われ、各国の大学教授職が直面している課題や変化が共有されました。最終的なセッション8では、今後の国際共同研究プロジェクトについての議論が行われ、最終的な総括と閉会の辞がUlrichiL TEICHLER教授と有本章教授によって行われました。

この国際会議では、大学教授職の変遷や課題に関する幅広い視点からの研究が発表され、異なる国々や地域での大学教授職の共通点と相違点についての理解が深まりました。また、知識基盤社会における大学教授職の将来に向けた展望や国際的な共同研究プロジェクトの実施についても議論が行われ、多岐にわたる知見が共有されました。

有本章名誉教授

Ulrich Teichler教授

会議の模様