5月12日(木)開催 2022年度公開研究会(オンライン開催)『交絡変数の部分的統制に関する考察:プロキシバイアスに焦点を当てて』

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下記の通り、公開研究会をオンラインにて開催しますので、ご案内いたします。興味のある方は、下記申し込みフォームよりお申込みください。

■日時:2022年5月12日(木)14:00~16:00

■場所:Zoomセミナーの為、全てオンラインで開催いたします。
※お申込みされた方に参加用URLを前日までにご連絡いたします

■テーマ:高等教育研究資源ナショナルセンター企画
     交絡変数の部分的統制に関する考察:プロキシバイアスに焦点を当てて

■登壇者:中尾 走(広島市立大学/広島大学大学院)樊 怡舟(広島大学特任学術研究員/広島大学大学院)
     林 岳彦(国立環境研究所)

■言語:日本語

■概要:本発表は,複数の交絡変数が考えられるモデルに対して,系統誤差が入っている代理指標を統制することによって,推定値がいかに変化するかについて検討することを目的とする。
ただし,中尾ほか(2022)が提示した交絡が一つ存在するモデルより,複数の交絡が存在している場合に,交絡間の因果関係が考えられるため,a-bias(何も統制しない時の処置効果推定値)と p-bias(代理指標を統制した時の処置効果の推定値)の計算が非常に複雑になる。本発表では、交絡変数行列の主成分を取り,A→Yの因果効果の推定における等価的なモデルを作り上げることによって上記の難点を克服した。
結論として,複数の交絡変数が存在する場合の p-bias は,四つの部分から構成されていることが分かった。各構成要素の意味合いから,p-bias は脱落変数バイアスの部分的統制,代理指標における系統誤差が引き起こす合流点バイアス,そして処置 A が代理指標によって説明されることが起因する Z バイアスと関連していることが明らかになった。そのうえで,代理指標における系統誤差の大きさと p-bias の増減の関係を確認したところ,p-bias の挙動は中尾ほか(2022)が示した交絡変数が一つの場合と異なり,系統誤差が全く入っていないという時の漸近値が他の条件によって決まることが明らかになった。つまり,複数の交絡変数が存在する場合に,極端な条件下では,無限に系統誤差を排除したとしても,代理指標の統制が,何も統制しない時の a-bias より激しいバイアスを引き起こす可能性が考えられる。

■プログラム
14:00-14:05:挨拶 村澤 昌崇(広島大学)
14:05- :発表『交絡変数の部分的統制に関する考察:プロキシバイアスに焦点を当てて』
     樊 怡舟(広島大学特任学術研究員/広島大学大学院)中尾 走(広島市立大学/広島大学大学院)
指定討論者:林 岳彦(国立環境研究所)

■その他
・本研究会は、以下の研究助成を受けて開催しております。
〇JP19H00621(研究代表者:小林信一,「知のオープン化時代の大学・科学相関システムの再構築」)
○JP18K18651(研究代表者:村澤昌崇,「多様な使命と目的を同時最適化する卓越した大学モデルの探索」)
〇JP20H01643(研究代表者:村澤昌崇,「EBPMの批判的検討を通じた高等教育政策・研究の高度化とEIPMへの展開可能性」)
〇JP20J14673(日本学術振興会特別研究員:中尾走,「高等教育政策を事例にしたEBPMの批判的検討」
・参加費は無料です。(定員30人、申し込み締切:5月10日(火))
・本セミナーについては、ウェブ会議システム(Zoomミーティングを予定)を使用して実施いたします。開催時刻までにインターネット環境、PC等端末(Webカメラ、マイクが必要)のご用意をお願いいたします。
・Zoomにログインする時には、IDに姓名を使用してください。参加申し込み登録者のお名前と違う場合、入室を許可されない場合がございます。
・各自のPC機能等による講演・資料の保存は許可されておりませんのでご留意ください。
・前日までに参加方法のメールが届かない場合は、下記アドレスまでお問合せください。
高等教育研究開発センター <k-kokyo(at)office.hiroshima-u.ac.jp>
(at)を@に置き換えてください。