9月12日開催公開シンポジウム(オンライン)「コンピテンシー・ベースの功罪―日仏における学校の教育実践をどう変えたか―」のご案内

【情報提供者:立命館大学 細尾萌子先生】

 コロナウイルス蔓延に伴う休校が解除され、学校で授業が行えるようになりました。学校は、様々な子どもたちが集団として学ぶ場です。どの児童・生徒にも学びを保障する、「学校」で行うべき教育のあり方を改めて問いたいと考え、下記シンポジウムを企画しました。

 フランス教育学会研究懇話会を兼ねておりますが、公開シンポジウムなので、どなたでもご参加いただけます。ぜひご参加くださいませ。

◆テーマ:コンピテンシー・ベースの功罪―日仏における学校の教育実践をどう変えたか―

◆日時:2020 年 9 月 12 日(土) 15:00~18:00(日本時間)

◆方法:遠隔会議システムを利用してライブ配信(オンライン) 参加無料、一般参加自由、使用言語は日本語・フランス語(通訳あり) 途中参加・途中退出自由

◆趣旨
 近年、日本でもフランスでも、コンピテンシー・ベース(approche par compétences)が、学校の教育実践の主軸となりつつある。日本の2017・2018年の学習指導要領改訂は、各教科の知識の伝達を中心とするのではなく、知識を活用して実践する資質・能力(コンピテンシー)を育成・評価する教育課程へと転換することを謳っている。日本でコンピテンシーは、一般に資質・能力のなかば同義語として、どんな状況でも発揮できる汎用的な能力という意味で使われている。
 一方、近年のフランスの学校教育において、コンピテンシー(compétence)は、経営分野や職業教育で1960年代以降使われ始めた定義、すなわち、複数領域の知識や技能などを総合して、特定状況の課題を解決する力として理解されている。学習指導要領にも各教科で育成すべきコンピテンシーが示されるなど、コンピテンシー・ベースが浸透してきている。
 フランスと日本におけるコンピテンシー・ベースの教育とはどのような学力をいかなる方法で育成・評価しようとするものであり、なぜ導入されたのか。この導入により、学校の教育実践がいかに変わったのか。コンピテンシー・ベースの功罪は何か、恵まれない境遇の子どもたちの学力向上にもつながるものなのか。
 本シンポジウムでは、以上の問いに迫ることで、どの児童・生徒にも学習権を保障する、めざすべきコンピテンシー・ベースの学校教育のあり方について探究したい。

◆登壇者

報告者
①ステファン・ボネリー(Stéphane Bonnéry)(パリ第 8 大学)
 幼稚園や小学校で授業研究。教材を通した教育的不平等のメカニズムなどを解明。
②石井英真(京都大学)
 全国の学校で授業研究を行いながら、教育目標や評価、指導法のあり方を探究。
指定討論者  阿部弘(東京国際フランス学園:フランス在外教育庁管轄校)
 中高等部にて日本語・日本文学を担当。
司会 細尾萌子(立命館大学)、京免徹雄(筑波大学)
通訳・翻訳 村上一基(東洋大学)

◆スケジュール
 全体説明
 報告① ステファン・ボネリー
 「コンピテンシー・ベースはフランスの学校の教育実践をどう変えたか」(仮題)
 報告② 石井英真
 「コンピテンシー・ベースは日本の学校の教育実践をどう変えたか」(仮題)
 指定討論 阿部弘:フランスの高校教育を実践している立場から
 全体討議

◆参加方法
 2020 年 8 月 29 日(土)までに、下記のメールアドレスに、お名前とご所属を明記の上、メー ルでお申し込みください。件名は、「公開シンポジウム申込」でお願いします。 francegakkai2020[a]gmail.com ※[a]を@に置き換えて送信してください。

◆当日までの流れ お申し込みいただいた方にメールで詳細をご連絡いたします。シンポジウムの当日資料はメール添付で事前に送付します。

◆開催者・お問い合わせ先:細尾萌子(立命館大学)
francegakkai2020[a]gmail.com
 ※[a]を@に置き換えて送信してください。