大学FD/SD研修 開催報告

記事概要:大学FD/SD研修 開催報告

開催日時:2019年9月4日

開催場所:群馬医療福祉大学

報告者:村澤 昌崇(広島大学高等教育研究開発センター副センター長・准教授/HER-NCセンター長)

 

以前IR研修にご参加いただいた先生より、学習成果を測定するための、より汎用的なテスト作りに関するご相談をお受けしました。

そのやりとりの延長線として、そもそもなぜ今こうも学習成果の測定とかアセスメントだとかIRだとかが必要になったのか、現状はどうなっているのか、課題は何か等に関する知識の共有が学内で必要だという方向になり、図らずも当方がFD/SDの講師として登壇することになりました。

講演では、以下のような内容をお話しさせていただきました。
・近年の大学を取り巻く環境変化に伴い、学習をより可視化・数値化して把握・分析し且つ学内外に提示する必要性が生じたこと
・大学全体を教学へと方向付けるために大学のガバナンス・マネジメントがますます重要になったこと、とはいえ自律性の高い教員の舵取りは簡単では無いこと
・学習成果測定は、専門分野で必要とされる技能に関する数値化・可視化を進めつつ、不可視なものを見落とさない工夫が必要
・IRは上記課題を前進させるためのツールとなり、大学の意義を正当化するためにも因果推論などの高度な分析が必要となってくる
・ただし、IRそれ自体の目的化(手段の目的化)、むやみやたらの導入は避けるべきであり、これまでの大学の運営の中に自然に位置づく方法を模索するべきこと

このようなお話をさせていただく機会をいただいた群馬医療福祉大学様に御礼申し上げます。

ともすると諸々の改革キーワードに踊らされてしまう大学界隈ではありますが、こうした機会を通じて、「地に足の付いた大学」のあり方を一緒に模索していきたいと思います。

IR研修ともども、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。