第1回高等教育研究プラットフォーム 開催報告

記事概要:第1回高等教育研究プラットフォーム 開催報告

開催日時:20181222日(土) 13:30-17:30

報告者:中尾 走(広島大学教育学研究科D1)

 

20181222日(土),東京C-BRANCH銀座にて,第1回高等教育研究プラットフォームが開催されました.

当日は,事前に応募していただいた方々だけでなく,多くの方に飛び入りでの参加をしていただきまして,ありがとうございます.事前準備の都合上,資料を渡すことのできなかった方々にはご迷惑をおかけいたしました.

本研究会は,高等教育研究に関わる方々が集い,高等教育研究をより良いものにするための集う場になればとの呼びかけ人の方々の想いから,プラットフォームという名称になりました.初回は,「大学教育で育つ能力・知識・人格とは何か-コンピテンシ一,知識,経験を問うー」という議題で3名の先生方にご登壇いただき,その後の活発な議論へとつながっていきました.3名の先生方は,必ずも高等教育関連の学会を主戦場にはされていませんが,あえて高等教育の議論に参入いただくという試みによって,まさにプラットフォームという名称にふさわしい集いの場となったのではないでしょうか.

第1報告は,石井先生に「コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影-今求められる学力と学び― 」というタイトルでご登壇いただきました.コンピテンシー・ベースのカリキュラム改革に対して,批判的論点と可能性の両側面の省察を同時に行うことで,教師の実践的指針を提起されました.また,発表時間におさまらないほどの資料を作成していただき,後から細かい論点を振り返ることができるような形で,後から振り返ることで講演の内容以上に学ぶことが多くありました.

第2報告は,細尾先生に「コンピテンシー教育をめぐる論点―フランスを鏡としてー」というタイトルでご登壇いただきました.教養教育とコンピテンシー教育の違いについて,コンピテンシーは積み上げても「何か」にはなれるが,「誰か」にはなれないというお言葉が印象的でした.

第3報告は,福田先生に「キーコンピテンシーとは何か―OECD/PISAの展開とEUー」というタイトルでご登壇いただきました.先生には,フィリピンなど他国と比較した日本のコンピテンシーについてお話いただきました.時間が足らず先生の熱い想いのこもったご講演を最後まで拝聴できずに残念な想いをした方も多かったのではないでしょうか.

その後のディスカッションにつきましても,登壇者全員にもう一度ご登壇いただき,自由闊達な議論がなされました.時間の都合上,十分にディスカションの時間を取れなかった点については運営側の反省点ではございますが,議論がこれほどの盛り上がりを見せたのは,短い時間の中で参加者の方々のディスカッションへの積極的な関与のおかげでございます.この場を借りて御礼申し上げます.

今後も、高等教育研究に関わる方々の集う場として,有志の皆様と一緒にプラットフォームを作り上げていきたいと存じております.ご賛同いただける方は、是非ともご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします.