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大学研究者の履歴書 | 若手高等教育研究者の広場
 
    大学研究者の履歴書
 
「大学研究者の履歴書」の開設に際して
                                            
                              広島大学高等教育研究開発センター 第10代センター長 有本 章
 広島大学高等教育研究開発センターは、1972年に日本の大学で最初の高等教育研究機関として誕生して以来着実に発展を遂げ、本年5月1日をもって創立34周年を迎えました。これも大学内外の皆様から絶大なご支援ご鞭撻を賜わったお陰であると深く感謝しますとともに、心から御礼申し上げます。

 私事で恐縮ですが、私は当センター前身の「大学問題調査室」で初代助手をつとめました関係上、今でも創設当時の大学内外の雰囲気が昨日のように彷彿と蘇って来ます。その頃は「大学研究」(または「高等教育研究」)が一種のタブー状態に置かれる中で、センターは「大学紛争」を契機に大学改革の一環として、梃子として、開設された経緯があります。いわば「大学の自己研究装置」として登場したのですが、大学のことを批判的に詮索する仕事はあまり歓迎されない冷ややかな空気も作用していました。しかも道楽や副業としてではなく、多少でも給料を貰って本業として専門に研究するのですから、月給泥棒と言われないような成果を出さなければならいのでもあり、当時給料を貰ったスタッフの方々は、内心人知れぬ苦労を味わったのではないでしょうか。

  その後、15年くらいは大同小異の雰囲気が支配していましたから、大学研究や大学改革が必要であるにもかかわらず、大学内部では必ずしも関心が高まらない状態が続きました。漸く1991年の文部省令によって導入された大綱化政策を皮切りに、全国的にセンター群が呱々の声を上げ始めました。1996年には、国立大学11校の省令施設を軸に「全国大学教育研究センター等協議会」を立ち上げることになり、また、1997年には大学教育学会(一般教育学会の改組)と管理行政学会が設置されました。さらに同年、「日本高等教育学会」が設置されましたが、創立10周年を間近に控えた今日では、その会員数は600名近くに増加するまでになりました。他方、当センターでは、1986年より大学院博士課程に高等教育論を開設して、博士号を輩出する運びになり、さらに、2005年には高等教育のテキスト『高等教育概論』を編纂するに至りました。当初から客員研究員等としてセンターの研究活動に参画していただいた「コリーグ」の全国的ネットワークは現在では400名超になりました。

  かくして、過去30有余年の歴史を辿りますと、大学研究が大学の中に定着し、講座が開設され、有給の専門家によって研究が着手
  れ、講義が行われ、研究者が養成され、教科書が編纂されるに至りました。あるいは学会が設置され、大会開催によって研究成果が発表され、学会誌が発行され、会員の投稿がなされ、ゲート・キーパーによって審査が行われるようになりました。種々の研究ネットワークが形成され拡大しました。

  このように回顧しますと、大学研究は「タブーの時代」から「ブームの時代」へと確実に転回したことが理解できるのではないでしょうか。その裏では、今日、「大学淘汰の時代」を迎え、研究栄えて大学滅ぶという皮肉な巡り合わせが到来していうることも確かな事実でしょうが、それだけに大学研究の重要性が増しているに違いありません。それはともあれ、草創期の当時を知るものとしては感慨深いものがあります。大学研究の今日の制度化と隆盛を素直に喜ぶべきことだと思いますと同時に、それは必ずしも順接に発展したのではなく、大学研究の制度化過程にはさまざまな困難や苦労の数々が刻印されていることを忘れてはならないのではないでしょうか。
 
  以上、前置きが長くなりましたが、本コーナーは、こうした制度化過程の歴史的時点に立ち会い、大学内外において、あるいは学会において、大学研究のパイオニアとして種々苦労を重ねながら斯学の開拓と発展に尽力されてきた偉大なる先輩の方々に登場していただき、「大学研究者の履歴書」を披露していただくことを企画しました。長年、大学あるいは高等教育を研究されてきた先生方が、ご自身のこれまでの研究生活を振り返った「履歴書」を投稿いただき、紹介するものです。その際、@生い立ち(大学入学まで)、A「高等教育」との出会い(大学・大学院時代)Bこれまでの研究生活(就職後〜現在)、C若い高等教育研究者への期待、といった事柄に留意していただくことを所望しました。

  企画にご快諾いただき、貴重な体験、見聞、識見を披瀝していただく諸先生に心から感謝しますと同時に、今回のシリーズが斯学の発展と後続世代へ少なからぬインパクトを与えることを確信しております。

  なお、このコーナーについて、ご感想などがありましたら、下記連絡先までお知らせいただきますと幸いです。
 
― 執筆者 ― (順不同)
 
新堀通也 先生 【全6回】
                
 (広島大学・武庫川女子大学名誉教授)
  中山 茂 先生 【全4回】

 (神奈川大学名誉教授)
 
黒羽亮一 先生 【全4回】

 (大学評価・学位授与機構名誉教授)
  関 正夫 先生  【全12回】 
      

 (広島大学名誉教授/第7代高等教育研究開発センター長)
 
寺ア昌男 先生 全6回 

 
立教学院本部調査役・東京大学名誉教授)
  麻生 誠 先生 【全4回】
      

 (東京女学館大学学長,大阪大学名誉教授)
 
潮木守一 先生 【全4回】
  

  (桜美林大学招聘教授)
  天野郁夫 先生 【全5回】 

 (東京大学名誉教授)
 
清水畏三 先生 【全6回】

 
(桜美林学園前理事長)
  山田圭一 先生 全2回
      

 (筑波大学名誉教授)
 
 
  
  市川昭午 先生全4回 

 
(国立大学財務・経営センター名誉教授
 
     
   
【ご感想等・連絡先】 rihe@hiroshima-u.ac.jp
 
     
 
 
 
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