SEDA年次大会参加およびサウスハンプトン大学セミナー報告

記事概要: SEDA年次大会参加およびサウスハンプトン大学セミナー実施報告

訪問日時: 2016年11月2-10日

訪問先: イギリス

報告者: 佐藤 万知准教授

2016年11月3日ー4日にイギリス、ブライトン市でイギリスの高等教育開発専門職団体であるSEDA(Staff and Educational Development Association)の年次大会が開催されました。ブライトン市はロンドンから電車で南へ1時間程の海辺の町です。夏になると海を楽しみにロンドンから多くの観光客が集まるリゾート地です。第21回SEDA年次大会は海岸の目の前に立地するヒルトンホテルで開催されました。
 
SEDAの年次大会には,イギリスの大学でEducational Developerとして働く方達が参加し,実践研究報告や高等教育開発に関連する研究報告をします。発表形式としては,ペーパーをもとにしたプレゼンテーション以外に,ワークショップやシンポジウム形式もあり,目的によって形式を選ぶことができます。どの形式においても,参加する人が何を得ることができるのかを示すことが求められており,SEDAの年次大会が,Educational Developerの専門性開発の場としても位置づけられていることがわかります。
 
今回は,成蹊大学の勝野喜以子さんと科研で進めてきた「伴走者型支援モデル」の報告をしました。「伴走者型支援モデル」は大学のいわゆる管理運営と教育研究の間に立つような職務(Third Space Professionals,FDやURA,国際交流,学生支援など)を担当する人のリフレクション能力を高めることを目的として,開発したものです。奇遇にも,基調講演者の発表がディベロッパーの専門性開発に関連する内容だったため,参加者には関心を持って聞いてもらうことができました。実際に取り入れてみる,というコメントももらい,嬉しい限りです。
 
週末をはさみ,11月7日には,サウスハンプトン大学教育学部でセミナーを実施してきました。ここでは,国立教育政策研究所の立石慎治さんと調査を実施した大学のミドルレベルマネジメント人材の話をしました。ミドルレベルマネジメント人材とは,研究科や学部で教育活動に関連するマネジメントをする人,教務担当教員や研究科長などを指します。セミナーでは,日本の大学において,これまでミドルマネジメント人材はどのようにしてマネジメント人材としての意識を持ち,必要な資質,スキルなどを身につけてきたのか,今の大学教員を取り巻く環境はそういった成長モデルに対して,どのような課題をつきつけているのか,という点についてお話しました。イギリスでもマネジメントとリーダーシップの育成,ということは重要な課題となっているので,発表の後,たくさんの質問やコメントをいただくことができました。

 

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